「水分蒸発を防ぐために油分でフタ」は正しいの?

スキンケアの基本としてよく言われるのが、「化粧水などで保湿したら、その水分が蒸発しないように、乳液・クリームなどを塗って上から油分のベールでフタをする」というもの。

 

実はこれは、ひと昔前までは完全な定説となっていたほどに、「正しいスキンケア方法」として広く認識されていたやり方です。

 

ですが近年、「このやり方は本当に正しいのか?」と疑問視する声も、医師を中心に広がってきているのをご存知でしょうか。

 

「油分のフタ」の水分蒸発防止効果は?

 

実は、油分のフタがどれだけ水分蒸発効果があるのかというと、これは期待できるほどにはないんですよね。

 

試しに、コップに水を一杯入れて、その上にサラダ油を1滴たらし、屋外にそのコップを放置してみて下さい。

 

「水の上に油の膜があれば蒸発しない」というのが本当であれば、この環境下でも蒸発はしないはずなのですが、実際にはコップの水は時間とともに蒸発で減っていきます。「油がまったくないよりは多少蒸発がマシ」となるかもしれませんが、せいぜいその程度です。

 

ましてや乳液・クリーム等は、100%油分ではありませんし、仮にピュアオイルを使ったとしても、水の上に油を垂らした時のように「まんべんなく均一の厚みのある油分の膜」を作ることはできません。

 

つまり「水分蒸発防止効果」をあまり過度に期待しないほうがいい、という結論になるわけですね。

 

乳液・クリーム等の存在意義とは?

 

では、乳液・クリーム等、油分の多いスキンケア用品の存在意義は何なのかというと、ひと言でいえば「皮脂分泌の少なさを補い、肌に適度な油分を与える」というものです。どんなものでも表面に油を塗ればなめらかになる、それは肌にも言えることだというわけです。

 

ですから乳液・クリーム等の役割は、化粧水や美容液の蒸発を防ぐのではなく、油分そのものを肌表面に補給する、と考えたほうがいいわけですね。

 

乳液・クリーム等が必要な人、必要でない人

 

乳液・クリーム等を「絶対に必要だ」と思って肌にゴテゴテとつけていると、肌が油分過多となって毛穴が詰まりやすくなり、ニキビ等の肌トラブルを誘発してしまう可能性もあります。

 

肌の乾燥を防ぐために大切なのは、乳液・クリームよりもむしろ化粧水および美容液です。特に、保湿成分がたっぷりと含まれた美容液をどれだけ肌になじませるかというのは重要ポイントですね。

 

もちろん、エタノールなどのアルコールが含まれたものを使うのはNG。アルコールの除菌スプレーなどを手にかけて、その手を軽くこすり合わせただけですぐ蒸発するのは、まさに「アルコールの蒸発のしやすさ」のせいです。こんなのを顔につけてはダメですよね。ノンアルコールで保湿成分たっぷりの、蒸発しにくい化粧水や美容液を選びましょう。

 

ノンアルコールで保湿性にすぐれた化粧水と美容液を使うだけで肌が潤う、という人は、その肌は「水分さえ補給していれば、皮脂分泌については問題ない」という状態ですから、特に乳液・クリーム等を無理して使う必要はないわけです。

 

逆に、ノンアルコールで保湿性にすぐれた化粧水と美容液を使っても「顔の一部分がカサカサする」という人は、その部分がピンポイントで皮脂分泌が足りていない、という可能性もあるので、まずはその部分から軽く乳液・クリーム等をつけてみましょう。

 

もちろん、「化粧水と美容液でいくら保湿しても顔全体がカサカサする」という人は、皮脂分泌がまったく足りていない状態と考えられるので、この場合は遠慮なく乳液・クリーム等を使えばいいでしょう。

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